カップリング曲「魅力とは?」の魅力とは?
前回、ガルフレのニューシングル「ヒロインになりたい」の感想を述べたので、今回は、カップリング曲の「魅力とは?」について、書いてみようかと思います。
カップリングとはいっても、この曲、先行して11月に配信限定で発売しているので、実質的には両A面シングルといえます。
さて、カップリングのもう一方、「ヒロインになりたい」は作詞作曲編曲全てメンバー以外の作家によるものでしたが、本作はメンバー曲です。
作詞作曲はベースのMINA。アレンジはガルフレ。ただし彼女たちの他に、作詞にLitz、作曲、編曲及びプロデュースにNAOKI-Tの名前もクレジットされています。
MINAがmu-moのインタビューの中で「2、3年前に作った曲」と言っていることから、Litz氏とNAOKI氏が補作して曲を整えたのかなと思います。
同じインタビューの中でメンバーは次のように語っています。
MINA:ベースプレイとしては “あらあら もう少しなのに” のブロックで弾いてる三連符。どんどん曲が進むにつれて「魅力とは?」の謎が解明されていくので、それも感じてもらえたら嬉しいです。
MIREI:GIRLFRIENDの曲では珍しい単調なリズムですね。ずっと裏でリズムをとってるんですけど、それが逆におしゃれな感じに仕上がってます。
NAGISA:ギターもけっこうシンプルで軽いですね。聴きやすくループしたくなるフレーズはポイントかも。
SAKIKA:やっぱり歌詞ですね。同世代の女の子が共感してくれる恋愛ソングだと思うので。でも「魅力とは?」って考える気持ちって、恋愛に限ったことじゃないと思うんですよ。自分のことだったり、GIRLFRIENDのことだったり。そういう面では、全然違う角度からも楽しめる曲になったんじゃないかなって思います。
また、この曲はガルフレ初の恋愛ソングということで、「重たくなく聴きやすいものにしたかった」とMINAは発言しています。
僕もこの曲は、楽しく軽快なポップソングだと思います。
そして何より歌詞が秀逸です。
普通は「恋とは?」とか「愛とは?」とかがテーマになりそうなんですが、この曲は「魅力とは一体なんのことなのか」というある種哲学的ともいえる問いかけを設定して、恋に振り回されている女の子が「魅力」について一所懸命考える内容なんです。
軽快な曲にも関わらず歌の主人公は思い詰めて「魅力とは?」と考えていて、その真面目さがユーモラスで可愛らしい味わいになっています。
同じMINA作でマイフェイバリットでもある「甘い誘惑」の主人公も、チョコレートのことを「頭が痛くなる」ほど考えていて真面目過ぎです。この辺り、作者のMINAの性格を物語っているのではないかと思います。
そして、思い詰めて考えた挙句、なんと「魅力とはあなたのこと?」という結論を出してくるのです。
「え? あんなに考えてたのに、それ?」と思わなくもないですが、たぶんこれは、「考え過ぎて一周回ってきちゃった」みたいな感じかもしれません。
そう考えると、ものすごく10代の女の子らしいリアルさがあるように感じます。
他にも随所にプロ作家の曲には感じられない10代のリアルさが感じられ、そのリアルさが「魅力とは?」の最大の魅力だと僕は思います。
ちなみにこの曲にはガルフレのメンバーがプロデュースしたMVがあります!
曲の世界観を見事に表現した楽しい映像です。ぜひご覧ください!